NPO法人 認知症ラボからインタビューを受けます.その項目

 Q1

簡単に自己紹介をお願いします。

A1

1     岐阜県海津市生まれ現在67歳 川口市在住。

2     趣味  臨床美術による、絵画作成.写真、

      山の幸染で染色すること。

3     名城大学 理工学部数学科卒業。

4     中学の数学の教師を経て、システムエンジニア    として勤務。

5     39歳の時、洗礼を受け、クリスチャンになる

6      51歳とアルツハイマー型認知症と診断される。

7      現在、Zoomで認知症の啓発活動に従事。

 

Q2

あらためて診断された当時のことを聞かせてください。

A2.     

認知症と診断をされたことが予想外だつたので、頭が真っ白になり思考停止状態になり医師に何も質問できず家に帰りました。しばらくしてから図書館や本屋でアルツハイマー病のことを調べると、アルツハイマー病になると何もわからなくなるいずれは、自分の意思も感情もなくなると書かれていたので知識が増えるとともに、生きる意欲をなくしていきました。

 

Q3

佐藤さんは、自身の病気について公にしてきた先駆けの人だと思いますが、当時の周囲の反応は

どのようなものでしたか?

A3.    驚きをもって迎えられましたが一部の人からは、しゃべれるのは認知症ではないと言われ、誤診ではないこといわれました。また、売名行為はやめなさいと言われました。

 

Q4 16年間、認知症という病気と付き合ってきたわけですが、進行具合をどう評価されていますか?  

A4.   毎日散歩したり、意識的に本を読んだり、Facebookに投稿したりまた毎日文章を書いて廃用症候群にならないようにしているため進行は非常に遅いと思います

 

Q5:

要介護度と、現在、利用している介護サービスについて教えてください。

A5.     要介護度は1で週3回、運動するデイサービスに通っています。週2回、ヘルパーさんと掃除をしています。

 

 

Q6

毎日どんなふうに過ごしているのか、おおよそのスケジュールを教えてください。

A6.  月曜と木曜の午前中はヘルパーさんと一緒に掃除をしています。

月曜と水曜と土曜の午後は運動するためにデイサービスに通っています。

水曜は月2回山の幸ぞめ教室に通い染色をしております。

金曜は月3回、臨床美術教室で絵を描いております。

 

Q7

最近、認知症で困ったことを一つ教えてください。

A7

睡眠障害で、夜、寝つけなく夜中に目が覚めて睡眠不足になっておしります。

 

Q8

認知症になってもできることはたくさんあると思いますが、低下していない能力にはどんなもの がありますか?

A8

文章を書く能力はのこされています。例えば、次のように生活しています。朝散歩30分する。日記を書く、規則正し生活をする。

   睡眠を8時間取る。バランスの良い食生活をする.毎日、感謝して生活する。

   役割を持つ。楽しく過ごす。怠惰な生活をしても、罪悪感を持たずによしとする。

   のんびり、ゆったりと過ごす。趣味も続けて、外出することに心掛ける。

   診断される前と同じ生活を続ける。自分が認知症だと公表して、まわりからのサポート

   う受けられるように体制を構築した。無理はせずに、少しだけ頑張る生活をする。

   能力維持のため、できることは率先して、役割のある生活をする。

 

Q9

日常生活の中で心がけていることはありますか?

A9

能力維持のためできることは率先してやる。廃用症候群にならないため、日記をつけたり、毎日Facebookに投稿したり文章を書いております。運動不足にならないように、毎日5000歩を目標に散歩いている、20215月は月間20万歩を歩いた。

1    できることは、能力維持のため率先して行う。

2     取り越し苦労はしない、問題が起こったら、解決策を考える。

3     未来は明るいと信じる。

4     人間にわからないが、神様のご計画があるので、どんな状況でも希望を捨てない。

5     試練には 必ず脱出の道があるので、どんな試練にも負けない。

6     生かされていることに感謝する。

7     人には親切にする。

8     相手の立場になって考え 行動する。

9     何事にも時があるので焦らない.待つことも必要です。

10    人の悪口は言わない。相手の短所ではなく、長所を探して、付き合う。

11    廃用症候群にならないために日記をつけたりFacebookに投稿したりする脳を使う生活をしております。

12    運動不足にならないために毎日5000歩を目標に歩いております20115月に月間200,000歩歩きました。

 

Q10

認知症とうまく付き合っていくコツはありますか?

A10

1    困りごとを笑い飛ばし、おおらかに生きる。

2    困りごとを書き出し、調子の良い時に、対策を考える。

3    できないことがあっても、受け入れて、人の力を借りて乗り越える。

4     自分には、無限の可能性が残されていると信じる。自分の能力を信じる。自分に自信を持つ

5     なんでも 前向に考え、努力する。向上心を持つ。

6      達成可能な目標を立てて、充実感を味わう。例えば健康のために1日、平均五千歩歩く。

7      些細なことが気になるので、全てを神に委ねる。

8      世の中なるようにしかならないと、開き直る。

9     取り越し苦労はやめる。問題が起こったら、その時考える。

10   小さなことに、こだわらずおおらかに生きる。

11   楽しい時間を持つ。私は、川柳、臨床美術で絵を描くこと、山の幸染めで楽しく時間を過ごしている。

12    役割を持つ。なんでも良い。

13    否定的なことを引きずらなくて、前向きに生きる。

14    いつも、笑顔でいる。おいしいものを食べる

15     出不精になるので、出来るだけ外出するように心がける。

16    廃用症候群にならないため、常に自分の頭で考えて行動する。

17    考えたことは、ipadで文章化する。

18    後ろ向きなことは、考えない。

19     おのれを磨くことを考える、そうすれば幸せになる。

20    持ってる物で満足する。無い物ねだりはしない。

21    常に、どうしたら楽しく過ごせるか考えて、文章化する。

22    人に親切にする。親切にすると長生きする。

23     感謝して生きる。

24    人を赦し、その人から自由になる。

 

まとめ  楽しく人生を過ごすことが大切である。

 

Q11

最近の、生活の中での楽しみ・生きがいは何ですか?

A11

焼肉、ステーキ、寿司など美味しい物を食べること。臨床美術で絵をきたり、山の幸染めで染色をすることがすきです。また、認知症の体験を話す講演会も自分の使命だと思っています。

 

Q12

佐藤さんは、認知症の啓発を続けてこられましたが、具体的にどんな活動をされてきましたか?

A12

認知症体験を話す講演会を行ったり、Facebookで自分の考えを投稿したり、ホームページで自分の考えていることを発表しております。

 

Q13

認知症に対する世間の誤解にはどんなものがあると考えていますか?

A13

・いつもボケーとして、なにを考えているかわからない人

・認知症の人は、何も判断できない、無能な人。

・必ず徘徊したり、大声を出したり、暴力を振るう、問題を起こす人。

・必ず物取られ妄想をする人

・必ずいつも探し物をする人。

・だらしない人。

・責任能力がない、保護しなければいけない人。

・何をしでかすかわからないので、自由を制限する対象の人。

・何もわからない、考えることができない人。

・記憶できない、物覚えの悪い人。

・人格が破壊した、無能な人。

・いつも怒っている、気難しいひと。

・こだわりの強い、付き合いづらい人。

・普通の生活できない人

 

Q14

世の中の人は「認知症にはなりたくない」「認知症になったらおしまいだ」と考える人が多くい

ますが、どう思いますか?

A14

認知症にたいする誤解、偏見からくる反応だと思い非常に残念だと思います。認知症は歳をとれば誰でもなる病気で、そんなに恐れるような病気ではありません。毎日役割を持って充実した人生を送ることが大切だと思います。

 

Q15

アメリカで認知症の新しい治療薬が認可されましたが、新薬に期待はありますか?

A15

ものすごく期待しています。

 

 

 

 Q16

認知症は「ならない発症予防」と「なってからの進行予防」がありますが、どちらも可能だと思

いますか?

A16

 ならない発病予防は、生活習慣病にならないようにし、十分な睡眠、規則正しい生活、適度の運動、バランスの良い食事で、発病予防かなり抑えられますが、完全な予防はできません。

 なってからの進行予防も、適度な運動、十分睡眠、バランスの取れた食事である程度進行を遅らすことができますが完全な進行予防はできません。

 

Q17

認知症になってよかったと思うことはありますか?

A17

色々な人に助けられ、いろんな経験を積んで、人生が豊かになった。

例えば、私の講演会を企画してもらい、その後Facebook で繋がり、今でメッセンジャーでのやりとりが続いている。

Q18

認知症にならなかったらよかったのにと、考えることはありますか?

A18

認知症になって、色々な問題を抱えるようになったので、ならなかったほうがよかったとおもいます。例えば次のような問題を抱えています

屋上庭園を15周回りないのだが、何周だか覚えていまいので、希望の周に歩けない。

対策  タイマーをかけて歩く。

2   何かできないと、やっぱり認知症だとできないと言われる。

対処方法  気にしない。

3   話を聞いても、頭に残らない。

考え方 気にしない。必要であればメモする。

4   言葉が出てこない。

考え方  病気だと諦める。ゆっくり時間を使えば出てくるので焦らず話す。

5   テレビのリモコンをなくした。

考え方   テレビを見なくても死ぬわけでない、出てくるまで気長に待つ。

6   気分にムラがある。

考え方  人間は気分にムラのある動物だと受け入れる。

7   食堂に梅干しを持っていくのを忘れる。食堂に持っていた梅干しを食べ忘れる。

考え方  細かいことなので気にしない。大らかに生きる。

8    疲れやすくなった。15分歩いただけで疲れる。

考え方 病気にせいでしょうがない、疲れないように、体を鍛える。

9    考える速度が遅くなった。

考え方  遅くても、十分時間をかけて考える。

10   次の行動に移るのに考えこむ

が多くなった。

考え方  気にしない。おおらかに生きる。

11   本を読んでも、頭に残らない。

考え方  気にいった箇所をぬき出したメモすれば良い。

12   洗濯物、乾燥機にかけていることを忘れる

対策  終了時刻にタイマーを掛ける。

 

Q19  

これからやりたいことがありますか。

Q19

本人ミーティングと認知症講座。

 

Q20

世間の認知症に対するイメージは変化していると思いますか?

A20

認知症になっても次のように考える、認知症のイメージも少しずつ改善されて来ています。

・認知症の人でも積極的に生きることができる人。

・障害があっても、人権があり、生命の危険がない失敗はしても良い、学習能力のある人。

・困難な問題抱えている、困っている人。

・色々な可能性がある人。工夫すれば、仕事ができる人。

・認知症バリアーを抱え困っている人。

・学習能力もあり、責任能力もある人。

・自分の困っていることが認識でき、そのことに対して、工夫できる人。

・物覚えは悪いが、メモもでき、一生懸命生きている人。

・楽しむことを見つけて、楽しく暮らせる人。趣味を楽しめる人。

・適切な援助があれば、一人で暮らせる人。

・考えることができる、自分の意見・好みが言える人。

・笑顔でいつも明るい人。ひとなつこいひと。

・人格があり、傷つきやすい、繊細な人。

・感受性の敏感な、繊細の人。

・普通に生活もできるし、ボランティアも仕事もできる人。

 

 

Q21

認知症をとりまく社会は進歩していると思いますか?

A21

認知症になっても、昔よりよりよく生活が送れるようになって進歩しているとおもいます。

10年前とどう変わったか

1    認知症を公表して、発言する人が非常に少なかったが、認知症当事者が実名を公表して、堂々と発言するようになった。

2    喋れる人は認知症でないと批判されていたが、認知症本人発信支援が推進されるようになった。

3   認知症当事者の主張に、理解を示すようになった。

4   認知症の困りごとが知られて、忘れても良い、と言うことが理解されてきた。

5    認知症当事者をトラブルメーカーと捉えるのではなく、社会の認知症バリアによって困っている人と理解されるようになった。

6   認知症当事者には、意思決定力や判断能力も学習能力もあることが知られてきた。

7   問題行動など負の側面だけが大きく取り上がれていたが、当事者が暮らしやすい地域づくりに貢献できるなどプラスの面に光が当たるようになった。

8    病識がないと考えられていたが、十分な説明と配慮が有れば病識が持てる人がいることがしられるようになった。

9    認知症は、何も分からなくなる、怖い病気だと思われていたが、いろいろな可能性や力 があり、自分らしく希望を持って生きていくことが知られるようになった。

10   一部ではなくすべての認知症当事者が自分らしく、希望を持って生きていれる共生社会を作るために、国家戦略(大綱)として推進されるようになった。

 

 

Q22

好きな言葉は何ですか?

A22

自分には無限の可能性が秘めているので、やりたいことは諦めずに、できると信じて行う。

 

Q23

あらためて、佐藤さんの口から認知症という病気はどういうものか説明していただけますか?

A23

  注意深く自分の生活・行動を観察して、取り越し苦労をせずに、自分の能力を信じて生活をすればそんなに心配する病気ではないと思います。

 認知症とゆう病名があるのではなく、一度発達した脳が、何らかの脳の障害で日常生活に支障が起こる状態をいう。原因疾患としては70100あり、アルツハイマー型認知症、脳血管性認知症、レビ〜小体型認知症、前頭側頭型認知症がだいたい部分で、ほとんどが、根本治療薬がない進行性の病気であるが、中には手術で治る病気もある。症状としては、物忘れが多くなり、計算ができなくなったり、新しいことが覚えられなくなり、よく慣れた道でもまよつたり、仕事の段取りが悪くなったり、料理をしなくなったり、料理の味が変わったり、幻聴、幻臭、幻視の症状が現れる、意欲が無くなったり、身だしなみにだらしなくなったり、人によっては、怒りっぽくなったり、物取られ妄想が起きることがある。認知症と診断された直後であれば、出来ることもたくさんあり、困りごとが増えるが、十分一人で生活できる。

 

Q24

佐藤さんと同じように、認知症を抱えて生きている方たちに向けてメッセージをいただけます

か。

A24

 ・認知症であっても不便であるが不幸でない。

    ・自分の能力を信じて、自分に自信を持って、楽しく生活が送れると信じて生活すること。

 ・失った機能を嘆いたり、数えたりせずに、ここされた機能に感謝して生きる。

 ・できないことが増えるが 出来ることもたくさんある。

 ・人間にはわからないが神様のご計画があるので、どんな時にも希望を捨てない。

 ・毎日、生かされていることに感謝して生きる。

・役割、張り合いを持って、将来を悲観せずに生きる。問題が起こったらその時解決策を考える。

 

Q25

認知症ではない私たちに向けてメッセージをいただけますか。

A25

1 過去を悔やんだり、未来を心配せずに、現在を大切にしてくらすことが大切だと思います

2 耐えられない試練は降りかかかってこないので、

 安心して生きる。

試練には必ず脱出の道が用意されているので、

 希望を捨てない。

4 持っているもので満足する、無い物ねだりはしない。

身分相応の生活をする。高望みをしない。

6   不平不満があるなら、自から動いて、解消する。

   自分の能力を信じて自分に自信をもっていきる。

7   物事には時があるので、焦らない。

8    生かされていることに感謝していきる。

  できることより好きな事をして楽しく過ごす。

9    いつも発展途上だと思いま、向上心を忘れない。

   新しいことに挑戦する勇気を忘れない。

10  できないことはできないと割り切り、

  人の力を上手に借りて賢く生きる。

11   不幸に鈍感、幸せに敏感に生きる。

  細かいことに気にせずおおらかに生きる。

12   世の中なるようにしかならないので楽観的に生きる。

13   認知症になったら長生きできた勲章だと思う。

14   歳を取れば誰でも、認知症になる。

 

 

Q26.  

 認知症当事者に何が必要か

A26

・認知症当者に役割を与え、活躍する場所を与えてください。

・一方的に支援する支援者でなく、一緒に楽しんでくれるパートナーを必要としています。

 

・認知当事者に責任能力を認め、なんでもできる自由をあたえてくだい。保護するという名目で私たちの自由を奪わないで。